【友禅とは?】振袖選びで耳にする友禅の種類について
2020.11.24
お店での振袖選びでは、振袖の季節の植物や花々やその多様なデザインを見比べたり、振袖ごとの風合いの違いも比べられるのも楽しみの一つ。
ところでこの振袖でよく耳にする「友禅染め」や「友禅」の意味をご存知ですか?
今回は、知ってみると奥深い「友禅」について、その定義から産地別の種類や特徴までをわかりやすくご紹介していきます。
ハイライトはこちら!
・「友禅」とは?
・手描き友禅と型友禅の違い
・三大友禅(京都、加賀、東京(江戸))
・型友禅と手描き友禅の振袖
では参りましょう!
(ちなみに、こちら↓の写真は”あまのや”社員が振袖を作る工房に勉強をしに行ったときの様子です。お客様に、きちんと振袖の魅力をお伝えできるように、みんなで作り方やその技術を勉強してきました!)
1.「友禅」「友禅染め」とは?
白い生地に模様をつけていく染色方法の一つ。
ゴムやもち米から作られた糸目糊(友禅糊)を使って、白い生地に模様を描き、多彩な色や模様を染め出していきます。
友禅染めが誕生したのは江戸時代元禄期(1688-1704年)。
江戸時代が始まり戦争がなくなり世の中が落ち着いた頃、
農村の商品作物の生産、都市に住んでいた町人による産業も発展し、その影響を受けながら学問や文学、芸術も成長していきました。
それまでの”きもの”は絞り染めに刺繍や箔を使った、豪華なデザインのものが生み出されていました。
しかし、幕府の奢侈(しゃし)禁止令によって、奢侈(しゃし)、つまり自分の身分の度合いを越えて贅沢であることが禁止されます。
これにより贅沢品にかける無駄な出費を減らすことがすすめられ、刺繍や金箔、銀箔などを使用した華やかな装飾のきものを着ることや売買することも制限されました。
そんな贅沢な装飾が制限された中生まれたのが、規則に触れない範囲でその色使いやデザインを楽しめる「友禅染め」。
当時京都の扇絵師だった宮崎友禅斎が生み出しました。(友禅染めの「友禅」は彼の名前から付けられているんですね!
友禅染めは、その華やかで多彩な色使いでそれまでの染色方法を覆し、町人たちのおしゃれ願望を満たし各地に伝わっていきました。
京友禅が初めに誕生し、のちに金沢や東京にも伝わっていき、その地域ごとに少しずつ変化し伝承されていきます。
京友禅、加賀友禅、東京(江戸)友禅については3つ目の項目でお話ししていきます。
2.手描き友禅と型友禅の違い
友禅の中でも、染め方によって手描き友禅と型友禅の2つに分けられます。
手描き友禅
下絵を元に筆で絵を生地に写し、染めない部分に糸目糊(友禅糊)を置いて白い部分を残し、輪郭以外を染め上げる手描き友禅。
伝統的なものは、糸目糊はもち米やぬかなどの自然由来のものが原料とされていて、染めた後には洗い流され、
染まらなかった白い部分には、それぞれのデザインに合わせて、手作業で染色されていきます。
友禅の技法が生まれたことで、まるで一枚の絵のように鮮やかで多彩な染めのきものが作られるようになりました。
「久保耕」手描き友禅の一枚。
人の手を使ってでしか作ることができない、色合いや、重ね色のこだわり。
着ている方の魅力を引き出し、見る人をうっとりさせてくれる一着です。
型友禅
筆で染めていく手描き友禅とは異なる友禅のもう一つに、型紙と色糊を使って染め上げる型友禅があります。
型友禅は明治時代にヨーロッパ文化が普及し化学染料が始めた頃に普及してゆきました。
きものによっては、100枚以上もの型を使用して染め上げるため、職人の技力と根気が必要とされる技法の一つです。
若女将さんが広げてくれているのは、型友禅の一枚。異なる色合いの桜がグラデーションで描かれ、幻想的な印象です。
今回は、この二つの友禅の中で手描き友禅をご紹介していきます。
3.手描き友禅の三大友禅!
友禅染めのうち手描き友禅は地域ごとに3つに分類され、
京都で作られる①京友禅、金沢で作られる②加賀友禅、東京で作られる③東京(江戸)友禅が知られています。
①京友禅
友禅染の中で一番初めに生まれた技法。
江戸時代に、京都の扇絵師の宮崎友禅斎によって考案れました。
糸目糊(友禅糊)を使い染めない部分に、隣り合う色同士が混ざらなように染め、
まるで日本画のように上品で優しい色使い、そして古典柄が使われることが多いと言われています。
京友禅の工程はなんと20以上もありますが、工程ごとにその職人が担当していく手間のかかった染め方で、
現在京都で作られる振袖全体のうち、 手描京友禅は3%ほどでとても希少なものになっています。
②加賀友禅
石川県金沢を中心に生産される手描き友禅。
京友禅に対して渋みや落ち着いた素朴な印象が特徴です。
写実的な草花模様が中心に描かれ、
葉の模様の上に墨色の点を置き、葉が虫に食われている様を表現した「虫喰い」、
模様の先が濃く、中心に向けて薄くぼかした「外ぼかし」の技法が使用されます。
箔や絞り、刺繍を合わせて作る京友禅とは異なり、
加賀友禅は下絵から彩色までを一人の作家が行うのが伝統的な方法で、作家の個性が現れやすいのが魅力の一つです。
③東京(江戸)友禅
東京で染められている手描き友禅、江戸友禅とも言われています。
染めの基本の手法は京友禅、加賀友禅と同様ですが、華やかな色使いの京友禅に比べ、藍、茶、白など色調を抑えた色使いが特徴です。
また、模様は町人文化の風景模様で細やかで小柄なものもあり、粋でモダンな印象が魅力。
京友禅のように、工程ごとの分業制ではなく、加賀友禅と同じく、構図作りから仕上げまでを一人の作家が行うのが一般とされています。
これら、京友禅、加賀友禅、東京(江戸)友禅は三大友禅と呼ばれています。
友禅の中でも地域ごとにこれだけ違いがあるなんて興味深いですね!
ここまで、友禅の種類をご紹介していきました。最後にあまのやセレクトの友禅の振袖をご紹介していきます。
4.あまのやセレクト友禅の振袖
型友禅 京都の着物メーカー「雅染匠」の一枚。
振袖に珍しい縮緬地に、パッと目を引ような青。
八重桜が満開に咲き誇る振袖は、他にはないインパクトがあります。
手描き友禅 京都の着物メーカー「久保耕」の逸品振袖。
優しい桜色をベースに、はんなりとした色づかいで、
品の良さの中に可愛らしさを感じさせる本格手書き友禅です。
5.まとめ
いかがでしたか。 今回は「友禅」についてお話ししました。
せっかくの人生に一度の成人式の振袖、その振袖ができる裏側を理解するとより振袖選びが楽しくなるのではないでしょうか。
店頭でぜひ手にとって、その職人の技を確かめにきてみてくださいね!振袖あまのやでお待ちしております!
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あまのや*振袖Web編集部
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